2022.12.13 JOURNAL|INFORMATION

やわらかく、境界線をといていく。|柔環 vol.1

昨年の事務所移転から、一年と少しが経ちました。気がつけば、2回目の冬を迎えています。
私たちが日々を過ごす「メープルコート」が持つ大きな窓は、中島公園や護国神社など、その周りの環境から自然や風景の変化を感じさせます。今は、少しずつ木々に雪が積もってきました。

「メープルコート」を建築設計した中井仁実さんが、新建築1992年8月号で、次のように紹介されていました。
(私たちの下の階はメープルコートの施工当初、中井仁実建築研究所が入っていたのです。)

街角のランドマークともなり得るため、緑との連続性や都市空間との柔軟な関わり方を意識した外観デザインを提案した。

今回の設計にあたっては、雁木空間の提案や木のある中庭など、建物空間から都市空間への積極的な関わりを演出することで、建物と歩行者と都市空間の、柔軟でかつ生き生きとした関係を創出しようと試みた。

(「新建築」第67巻8号298頁、株式会社新建築社、1992年)

中井仁実さんが建物空間と都市空間と歩行者、そして緑との関わり方を考えたように、私たちも、こういった歴史や背景、人の考えや環境、そして日々を紡いでいくようなプロジェクトに取り組みたいと考えはじめました。

大きく言えば、環境や自然との対話、そして目の前をみると、私たち自身との対話のきっかけでもあります。

このプロジェクトを「柔環」と名付けました。「にゅうわ」と読みます。
第一弾として、WEBサイトのTOPページを更新しています。
https://improvide.co.jp/
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とある日のランチmtg、この日はたしか会社近くの中華料理屋さんでした。
片:「柔和」という言葉、好きなんだよね。今やりたいこと、意味や雰囲気がぴったりだと思っていて。でも「和」の漢字は違うような。「ものごとが交差して広がる」的なニュアンスが欲しいんだけど…
名:繋がって、輪になる、、じゃあ「環」はどうですか?
片:「柔環」いいかも!環境の繋がりも感じる。

と、こんな感じでプロジェクト名が決まっていきました。

はじめましては「銀杏」から。
会社の大きな窓から、私たちに季節をお知らせしてくれる、身近な存在です。そして街路樹・公園樹としてよく植栽されていて、「景観を創る木」として街と自然の境界線の間を解く存在のようにも感じます。実際に中島公園で採取した銀杏をモチーフに、このプロジェクトが飛び立っていくイメージを重ねて表現しました。

「柔環」はじまります。
(片桐 由貴 / 名畑 文草)