2022.03.25 JOURNAL|PROJECT HISTORY

まちと市民、そして私たちが共創するということ。

2022年に開港150年・市制施行100年を迎える室蘭市。この記念の年をきっかけに、まちを見つめ直し、未来にむけて「新しいまちのイメージ」を発信する事業がはじまりました。この取り組みの中心となったのは「室蘭が好き。みんなで創る、住み続けたいまち」という室蘭市のビジョンです。私たちはこのビジョンに着目し「みんなで創る」をキーワードに、ブランドマークのデザインを行いました。今回は、私たちと一緒にデザインに取り組んだ、幅広い世代の室蘭市民で組織する会議体「まちのデザイン会議」を紹介します。

第1回 まちのデザイン会議
みんなでマークにつかう色をつくる

ブランドマークの制作にあたり、私たちが最初にアプローチしたことは、室蘭に暮らすみなさんならではの「好きな室蘭=MY室蘭」です。まちのデザイン会議では、会議メンバーそれぞれが持つ「MY室蘭」を発表し、その「MY室蘭」はどのような色かを考えるワークショップを行いました。自分たちが考える室蘭らしい色、こういう風に見せたいという意思を色に反映。この回で、ブランドマークを構成するムロラニックカラーが誕生しました。

第2回 まちのデザイン会議
みんなで参加し、デザインをつくる

まちのビジョン「みんなで創る」を体現できる、人を動かすデザインを目指し、ブランドマークづくりは「参加できるデザイン」を大切にしました。ブランドマークにつながる、キーワードの異なる3つのワークショップを実施。中学生メンバーから大人委員まで、みんなが参加できるワークショップを企画しました。
WS1:キーワード『みんなのMY室蘭が組み合わさる』
WS2:キーワード『みんなのMY室蘭がデザインになる』
WS3:キーワード『みんなのMY室蘭がこれからの芯になる』
これらのワークショップでの成果がブランドマークのデザインへと反映されていく仕組みとしました。

第3回 まちのデザイン会議
みんなでコンセプトへの理解をつくる

ワークショップでの取り組みが3つのデザインとなり、市民投票に進みました。室蘭市の新しいイメージを発信するブランドマーク。デザイン案のコンセプトを理解すること、新しいまちのイメージをつくるためにできることも一緒に考えて投票してもらうことを大切にしました。

第4回 まちのデザイン会議
みんなでマークをつかうアイディアをつくる

ワークショップから生まれた3つのブランドマークから、1案が市民投票により決定。ブランドマークは、みなさんが考えるMY室蘭を発信する役割として、中学生メンバーにマークの使い方アイディアを企画、発表してもらいました。新しい室蘭のイメージをつくる企画は、みなさんの「やってみたい」が原動力。参加メンバーそれぞれの個性からアイディアをつくる大切さを学んでいきました。

ワークショップで会議メンバーがデザインしたオリジナルMマークも、公式ブランドマークとして活用できます。

第5回 まちのデザイン会議
みんなでこれからのまちのイメージをつくっていく

まちのデザイン会議最終回。最初に取り組んだムロラニックカラーの変化についても話しながら、この8ヶ月間の活動を振り返りました。ブランドマークは、室蘭の好きなところや良いところを組み合わせてわかりやすく伝えるもの。私たちはブランドマークのことを「MY室蘭マーク」と名付けました。大切にしてきた「みんなで創る」というキーワードから、一緒にまちのイメージをつくっていくガイドラインを制作しました。

みんなで考えたことや好きなことを共有し、成果をつくった「まちのデザイン会議」。MY室蘭マークの完成をスタートに、まちのデザイン会議の歩みと同じく、新しいまちのイメージをひとつ一つを形にできれば良いと考えています。(片桐 由貴)

Client:室蘭市
Project:室蘭市ブランドマーク制作
Participation:まちのデザイン会議メンバー(中学生メンバー 20名 / 大人委員 6名)
Creative Direction:小林 元
Direction:片桐 由貴
Design:名畑 文草 / Queenie Chan