2023.03.10 JOURNAL|INFORMATION

積もった先に。|柔環 vol.2

少しずつ陽がやわらかくなり、北海道らしい春への歩みを感じるような季節になってきました。
春の訪れを感じながら、大きな窓からは、だんだんと少なくなっていく雪の姿をみる毎日です。

ひとつの季節が終わりに近づき、振り返ると、今年の冬は「積もる」ということについて考えていました。

雪が積もれば歩道は夏よりも、
雪やまに登ると見える視点も、
いつもと少しちがった、高さの世界。
そして雪どけの時期には、
だんだんといつも通りに。

日々積もっていく雪をみて、自分にも積もるもの(積むもの)はあるのかと置き換えてみたり、積もったものはなくなってしまうのかと思ってみたり。

経験、石、荷物、想い…?

雪かきもたいへんだけど、雪が積もることで新鮮で美しい(かもしれない)世界に出会うきっかけとなるのであれば、悪いものでもないなと。毎年春が来るように、雪どけは無くなることではないのだと、積もった先に広がりを感じる季節になってきました。

日々を過ごし、経験を積んだ先になんだか何もわからなくなるような気持ちになるときも…笑
もしかしたらいつもと違う高さにいて、見える世界が変わったのかもしれない、知りたいことも知らないこともまだまだたくさんあるんだと実感する。
知識と経験の中で、子どものときのように生き生きとした世界が見えてくるのかと、ちょびっと都合よく思うのです。

そんな話をして、今回もデザイナーの名畑さんに表現を担当してもらいました。

デザイナー(名畑 文草)より
柔環 vol.2のテーマは「積もる」です。
積もった雪が溶け、土の栄養となり、新しい季節につながっていくことをイメージし、ビジュアルを制作しました。それはたくさんの情報から、新しい形を生み出していく、私たちの仕事に似ていると感じます。

柔環のプロジェクトをはじめて、まわりの変化から生まれる考えを楽しんでいます。
次は北海道の桜が咲く時期に、お便りします。
(片桐 由貴)

**
柔環の壁紙をつくりました。
通常版、そして3月・4月のカレンダーとともにお楽しみください。

[Download JPG形式]

Normal デスクトップ用(116KB) / スマートフォン用(218KB)
Calendar・March スマートフォン用(270KB)
Calendar・April スマートフォン用(268KB)


[柔環(にゅうわ)とは]
ディレクター片桐が日々を過ごす「メープルコート」。大きな窓からは自然や風景の変化を感じます。建築設計をした中井仁実さんが、建物空間と都市空間と歩行者、そして緑との関わり方を考えたように、私たちも歴史や環境、そして日々の変化と対話し、デザイナーと表現していくプロジェクトです。