みどりが認識させる。|柔環 vol.3
春のやわらかなみどり。
夏のはげしいみどり。
秋は落ち着き、冬は深々と静かに。
大学生の頃、植物を研究するゼミに所属していました。滝野すずらん公園に向かう道中、シラネアオイの時期なので、5月頃だったと思います。
先生が「いやぁ、いいみどりだ。」と一言。
「そうか!」
とこの時、新しい感覚を持った気持ちでした。
樹木は日常に当たり前のようにあるなかで、知らず知らずのうちに、少しずつ、変化する。
今年の5月の上旬、その日は突然にやってきました。
会社の窓から見える樹木たちが目を覚ましたかのように、認識させるのです。
「いい、みどりだ。」
イチョウ、オオバボダイジュ、エゾイタヤ、カツラ、イチイ。
やわらかなみどりが、とてもきれいに主張する。
そう考えると、私たちは暦という数字だけではなく、言葉では表せない空気感、人びと、そして植物や自然から、四季を知らせてもらっているなと。となりの中島公園をお散歩すると、だんだんと人びとが多くなってきたように感じます。お祭りも大にぎわい。これもひとつの変化です。
今回も、デザイナーの名畑さんにビジュアルを担当してもらいました。
デザイナー(名畑 文草)より
今回、私もさまざまな緑をテーマにしました。会社の窓から見えるイチョウ一つとっても、快晴の日、雨の日、曇りの日と日によって、見える緑が違うなと。また、緑は葉がみずみずしさを持っている象徴かと思い、今回は水彩のような表現を用いてみました。
そんな気づきが改めてうれしくなる、2023年、次の季節へ向かう今日この頃でした。
(片桐 由貴)
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柔環の壁紙をつくりました。
通常版、そして6月・7月のカレンダーとともにお楽しみください。
[Download JPG形式]
Normal デスクトップ用(655KB) / スマートフォン用(114KB)
Calendar・June スマートフォン用(137KB)
Calendar・July スマートフォン用(140KB)
[柔環(にゅうわ)とは]
ディレクター片桐が日々を過ごす「メープルコート」。大きな窓からは自然や風景の変化を感じます。建築設計をした中井仁実さんが、建物空間と都市空間と歩行者、そして緑との関わり方を考えたように、私たちも歴史や環境、そして日々の変化と対話し、デザイナーと表現していくプロジェクトです。