メッセージの継続でファンをつくるBtoBブランディング
OVERVIEW
BtoB企業だからこそ発信する。
貨物輸送は社会の裏方だ。お店も商品もない。
生活者との接点は線路や駅で見るくらい。
だから鉄道ファン以外に
好きになってもらうことも少ない。
JR貨物はJR北海道と
同じ会社だと思っている人も多い。
「何を運んでいる会社なのか」
「社会にどう役に立っているのか」
これらを認知してもらうために
新聞を使った企業広告がはじまった。
テーマは
「野菜を運ぶ」
「職員による安全管理」
「北海道新幹線との線路共用」
「コロナ禍の物流」
「新入社員と採用」
「本州から日用品を運んでくる」
などなど多岐に及ぶ。
ファンをつくることだと僕は思う。
2016年から年間4、5本を出稿。
道内限定ではあるがSNSで
国内外へ拡散されている。
採用面接の際には
「広告をみた」という人も多いそうだ。
ブランディングとはメッセージの継続。
販売促進の即効性はないが、
漢方薬のようにじわじわと効いてくる。
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
「2024年問題篇」
2024年問題を
2025年問題に
しないために。
安く早くのウラには、ひずみがある。
どこかで誰かが頑張りすぎている。
働き方改革は避けては通れない。
時代は優しい方に向かっている。
当たり前の状態に戻そう、
というだけのことかもしれない。
トラックにはトラックの
ちょうどいい距離がある。
離れたまちを結ぶ中間距離輸送には、
鉄道が適している。
モノをリレーするのが物流。
2024年問題の解決は「運ぶ」の再選択から。
掲載日 2024年6月21日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer / Illustrator:久松 亜咲季
【企画制作・池端の一口メモ】
ブラック企業という言葉が広がりはじめてどれくらい経っただろう。労働環境だけではなく人権など「健全な状態に戻そう」という動きがあらゆるシーンで見られます。制度が変わることで企業は対応せざるをえない。「2024年問題」というけれどそれは「2024年解決」なんだとも思うのです。貨物列車は少ない人力で多くの物を運べる。中距離、長距離に適しています。これまでトラックの輸送に頼っていた企業もこれを機に貨物列車へのチェンジをしはじめている。飛行機、船、鉄道、トラックはそれぞれが競合関係という見方もあるけれど、コラボレーションや棲み分けという関係も成り立つ。社会がよりよくなるためにはどんな可能性も否定できないのだと思います。
「レントゲン篇」
それは、ただの線路じゃない。
掲載日 2024年3月8日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Art Director / Designer:石川 ヨシ
Retoucher:大谷 キミト
【企画制作・池端の一口メモ】
そのまちに新幹線が開通すれば第三セクターと呼ばれる地域の鉄道会社が生まれる。各地で見られる現象です。在来線の維持は旅客はもちろん貨物輸送にも影響する。だから貨物列車の走る線路は国内物流の大動脈であり背骨といえます。まさにライフラインを担う、生活になくてはならない存在。新聞広告ではそのことをワンビジュアルでシンプルに訴求しました。しかしながら今回はレントゲン写真について予期せぬ部分でSNS界隈をざわつかせることに。結果Xの再生数は2000万を超えました(2024年7月現在)
「おせち列車篇」
人は、情報も食べている。
そのエビはどこ産だろう。
その伊達巻きは誰が巻いたの?
その栗きんとんの栗は国内産だろうか?
その黒豆は北海道産? 丹波産?
そのナマスの大根は北海道産かもね。
じゃあ酢はどこで醸造してるかな?
そのレンコンは茨城から、
誰が運んできたんだろう。
どこからどうやって来たのか。
すべての素材に、ここまでの道のりがあります。
え、おせち、もう食べちゃった?
北海道では大晦日に食べる風習がありますもんね。
掲載日 2024年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:鎌田 美智子
Photographer:KATOMI(スタジオ・アイ)
Stylist:阿波加 真那(西山冩真店)
【企画制作・池端の一口メモ】
物流のゴールはエンドユーザー。食べ物の終着点は生活者の食卓です。日本、世界各地の素材や逸品が一つのお重に集うおせち料理はまさにオールスター。現代社会では食べ物についての情報が細かく知ることができます。産地、生産者、加工製造業者などトレーサビリティがしっかり記載されたものもあれば、生産方法や調理のこだわりもしかり。そういった情報は安全性の裏付けにもなりますが、おいしさの理由にもなると思うのです。誰が作ったとかこんな素材で味付けしたとか知ることで味に奥行きが生まれる。人間は脳内でも味わうことができるのです。元日の新聞広告を読んであらためて、おせち料理を食べながら貨物列車の役割を感じてもらえればと思い制作しました。
「旅立ち篇」
のりこめ、
本州へ。
北海道野菜は、需要がすごい。
日本すみずみの食卓まで、供給をつづける。
掲載日 2023年9月20日
掲載紙面:日本農業新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Art Director / Designer:Queenie Chan
Photographer:阿部雅人(studio THIRD)
Stylist:菅原 美枝(studio THIRD)
【企画制作・池端の一口メモ】
北海道産の野菜がコンテナに乗り込む姿を擬人化。じゃがいも、玉ねぎの2大作物を筆頭にかぼちゃ、人参などが運ばれます。気温や風土のちがう縦長の日本列島では、本州と北海道で微妙にずれて旬を迎える野菜もあります。年中新鮮でおいしい野菜が食べられるのもそんな環境を活かして地域の農協、農家さんたちが工夫してきた賜物なのです。
「はこぶとかち篇」
はこぶ、とかち。
はこぶと、かち。
じゃがいも、豆、にんじん、長芋など、
あらゆる野菜を積んだ貨物列車。
帯広貨物駅を出発し、
轟音を響かせながら狩勝越えに挑む。
鮮度を保ちながら、
首都圏、関西、遠く九州まで。
この国の食を支える農業王国・十勝。
わたしたちは全国の消費地へ運び届けることで、
十勝ブランドを「価値」に変えていきます。
掲載日 2023年7月18日
掲載紙面:十勝毎日新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
写真:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
初めての十勝毎日新聞への出稿。十勝は日本の食料基地と言われるほど農業がさかんな豊かな地域です。当然そこで育つ農畜産品は貨物列車によって、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡という消費地へ運ばれます。十勝は「明治十勝スライスチーズ」の発売以来、強力なブランドとして知られています。ひょっとすると「北海道産」よりももっとブランド価値は高いかもしれない。生産地の価値を広めているのは「物流」という仕事だと思うのです。
「これからを思う篇」
なくなってからじゃ、
議論もできない。
デパートがなくなる前。
「もっとここで買えばよかった」
駅がなくなる前。
たくさんの人が撮影にきた。
地元の本屋さんがなくなる前。
ネットでしか買わない自かを少し悔やんだ。
人のいない商店街をよそ目に、
ショッピングモールでぬくぬくする。
誰も乗っていない路線バスを見て、
「このあたりはクルマ社会だから」
それはいつの時代も、どの地域でも、起きてきた。
北海道の物流の、これからは。
掲載日 2023年6月29日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer / Illustrator:石川 ヨシ
Designer:川尻 固広
文字:久松 亜咲季
【企画制作・池端の一口メモ】
「地域資源の重要性」を考えてもらうことが目的。以前からそこにあるものがなくなると存在感や利便性にあらためて気付かされることがある。閉店、廃止、建て壊しなどは一度決定すると覆ることはほとんどありません。北海道の鉄道路線も、まさにどうするか議論が進んでいます。それは鉄道の恩恵を受ける一部の人の関心事ではなく、その地域に暮らすすべての人々に「自分ごと」として捉えてもらうことが大切だと考えています。
「鏡餅篇」
今年の雪は、
ほどほどだと
いいなぁ。
去年の雪は、すさまじかった。
公共交通のダイヤは乱れ、
道路は渋滞し、
ゴミ収集も中止になった。
生活も物流も、雪に翻弄された。
人は、天気を制御できない。
だから経験を生かして、
自らの命と生活を守る。
今季はどれくらい降るんだろう。
安全第一。準備万端。
真冬の物流に、挑んでいく。
ちなみに餅もミカンも、
本州からJR貨物が運んでいます。
掲載日 2023年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Photographer:古瀬 桂
Designer:川尻 固広
文字:名畑 文草
【企画制作・池端の一口メモ】
大雪は時に「雪害」と言われ、各方面に大ダメージを与える。貨物列車による輸送業も影響をもろに受ける。物流や公共交通など普段ニュースに出ない「縁の下の力持ち」的な業界は、遅延や運休など非日常時にネガティブな情報が世の中に出ていくものだ。人間の力では天候はどうにもならない。だから人は古来から神や空に願ってきた。
今回は機関車の運転席に鏡餅を置いて撮影。実際にこのような慣例はないのだがシンボリックな表現ができたと思う。交通機関の安全をつくるのは多くの職員さんのチカラ。そんな敬意をこめて制作しました。
「ヒグマ篇」
クマたちも、
一生懸命です。
北海道を走る機関車。
その名もレッドベア。
「赤熊」とも呼ばれる。
農家さんから預かった野菜を、
北海道から本州へ輸送する。
その原料からつくる食品を、
本州から北海道へ運んでくる。
貨物列車は行きも帰りも
北海道の暮らしを支えている。
11月18日は「熊の日」です。
北海道とヒグマの共生を考えるように、
北海道と鉄道との共生も。
掲載日 2022年11月18日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Art Director / Designer:Queenie Chan
Photographer:KATOMI(スタジオ・アイ)
立体制作:阿波加 真那(西山冩真店)
【企画制作・池端の一口メモ】
掲載日はクマの日ということで、機関車「レッドベア」と絡めた広告を表現しました。知床では観光客の餌やりにより人馴れしてしまったヒグマがクルマの前で平然と餌を求める様子がニュースを賑わわせています。札幌市内でも住宅地を歩くヒグマが散見され、その都度子どもたちの通学や生活に影響をきたしています。北海道においてヒグマとの共生は大切な課題です。
同じように鉄道も北海道が抱える課題です。存続か廃止かという二元論だけが議論の主題ではありません。道民のみなさんが自分ごと化として考えてもらえるよう、広告企画の立場から努めています。
「収穫旅行篇」
収穫旅行。
ありがとう、うけつがれる、いでんし。たねいも〜
たいようが、まぶしくて、めがはえた。ふたば〜
たいせつに、みまもってくれた。おとうさん〜
カメラをむけられて、はずかしかった。はなのきせつ〜
ことしもなんだかんだいって、あつかった。なつぞら〜
ぼくたち、わたしたちは、これから、たびにでます。
おびひろかもつえきから、ぜんこくへ。
とうきょうの、おうちで、カレーになるいも。
ポテトチップスになって、ほっかいどうに、もどってくるいも。
ぼくたち、わたしたちは、とかちに、うまれてよかったです。
掲載日 2022年9月20日
掲載紙面:日本農業新聞
公式Twitter:
https://twitter.com/JR_FREIGHT_1987/status/1572007054306603009
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Art Director / Designer:Queenie Chan
Photographer:我妻直樹(帯広貨物駅) 阿部雅人(スタジオ)
【企画制作・池端の一口メモ】
晩夏の北海道はじゃがいもが収穫期を迎えマーケットに出回る。農産地・十勝は多様な種類のじゃがいもが栽培されていて全国に出荷される。その拠点が帯広貨物駅で屋根付きのプラットホームが目印だ。「じゃがいも列車」「いも臨」と呼ばれる臨時列車はしばらくのあいだ走っている。修学旅行の記念写真をモチーフにした今回の広告デザイン。「収穫旅行」という言葉遊びのコンセプト開発は、デザイナーのクイーニーが手掛けた。キャッチコピーとしてもそのまま表現できる一言の威力はなかなかのもの。ボディコピーは農家さんへのリスペクトを込めて、小学生の卒業式などで声を揃えて思い出を語る「呼びかけ」のようなイメージで書いた。
「雑誌発売篇」
人も、本も、発売日を待っている。
本って、貨物列車が東京から運んで来ているんだ。
悪天候で物流が滞ることで、
JR貨物の役目を知ってもらえることがある。
飛行機も鉄道も、すべての輸送業は
定時運行を基本としている。
この国では、大雨も大雪も頻繁に降る。
わたしたちは“その時”のためにも気を抜かない。
JR貨物は今日も、北海道に商品を届けています。
掲載日 2022年7月4日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Illustrator:始発ちゃん
Designer:川尻 固広
【企画制作・池端の一口メモ】
「貨物列車遅延のため入荷遅れ」という貼り紙は北海道内のコンビニや本屋でよく見かけます。この貼り紙で雑誌や本はJR貨物で運ばれている、という事実を知る人も多いのだと思います。なんとなくJR貨物が悪者になる雰囲気。そんなJR貨物への“さみしい第一印象”をモチーフに今回の広告を制作しました。昨今は全国的に局所的豪雨による川の氾濫や土砂崩れといった災害が増えています。北海道では大雪の影響も免れません。地震も物流を止める要因になります。貨物鉄道による物流というインフラを知ってほしい。そんなシンプルなメッセージ発信をいろいろな表現で継続しています。
「助けあい篇」
いっしょなら、
のりこえられる。
先頭の機関車だけでは、
引っぱりきれない山のぼり。
この路線では、最後尾からもう一台の機関車が押す。
コンテナは重く、貨車は長い。
助け合いながら北見・旭川間の常紋峠を行く。
運転士もここだけは前後の二人体制になる。
どんな仕事も、助け合いが必要だ。
機械化、AI化が進むほど、
現場を孤立させてはいけない。
助けあう。それは美徳ではなく、人の歴史だ。
いまこの瞬間、誰かに助けてもらっている人も、
何かの折には、人を支える出番がくる。
逆に、いまサポートしている側の人だって、
誰かの手を借りるときが必ずある。
地域、学校、家庭。
「助けてほしい」は我慢しなくていい。
物理的なヘルプも、制度的な支援も、
心の支えになる。
誰ひとり取りこぼさない社会へ。前進する2022年。
掲載日 2022年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Photographer:高坂 秀和
Designer:石川 ヨシ
【企画制作・池端の一口メモ】
石北本線の常紋峠(常呂と紋別を結ぶ難所)を行く貨物列車。「プッシュ・プル」と呼ばれる方式で機関車が前後二台の編成になり、最後尾からも押しています。文字通り助けあいながら峠越えをして目的地へ向かう姿。速度はゆっくりですが着実に安全に走り切ります。運んでいるのは主にタマネギなどオホーツク地方の一次産品。ターミナル駅の向こうにはもちろん都市をはじめ消費地があり、生活者のお宅や外食産業の店舗などに商品はたどりつきます。コロナで格差が広がっている世相と重ね合わせ、現代社会において助け合うことの重要性をメッセージにしました。
「電車ごっこ篇」
普通列車が、到着します。
本州から、日用品を運んでくる。
北海道の普通の暮らしを、つくっている。
掲載日 2021年11月8日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer / Illustrator:石川 ヨシ
Photographer:高橋 龍次
ヘアメイク:伊藤 智亜希
【企画制作・池端の一口メモ】
そこでつくっていないものはどこかから持ってこなくてはなりません。それは物流の根本です。北海道で製造していない日用品は本州各地の産地から届き、店頭に並んでいます。今回は「電車ごっこ」という誰も知るモチーフを採用。運転士だけスタジオにて撮影。他の製品はイラストレーションの手法で制作。ユーモラスでわかりやすい表現となりました。
「畑から続く篇」
出荷、進行。
オホーツク北見発タマネギ本線。
東京、大阪、福岡。北海道産ヤサイを全国の消費地へ。
タマネギを運ぶ臨時貨物列車。さぁ今年も出発です。
掲載日 2021年8月17日
掲載紙面:日本農業新聞
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:石川 ヨシ
Photographer:我妻 直樹
Retoucher:大谷 キミト
【企画制作・池端の一口メモ】
おなじみとなった道外への農産品輸送の重要性を説く広告。毎年お盆過ぎに走り始めるオホーツク産の玉ねぎを運ぶ臨時貨物列車は、「たま臨」「たまねぎ列車」と呼ばれていて、その輸送はなんと翌年の春先までつづきます。玉ねぎは保存もきくし、料理には欠かせない万能野菜。まさに北海道農作物の主力です。「北見F1玉ねぎ」と書かれた箱は首都圏、関西、九州など全国で散見されます。撮影の畑は知人である森谷ファームの森谷さんに依頼。車掌となってもらいました。大雪山系を望む北見市留辺蘂町はオホーツクの玄関口です。
「きづかない篇」
日常って、気づかない。
家でつかうもの、口にするもの、身につけるもの。
全国から北海道へと、貨物列車が運んでくるものは、意外と多い。
JR貨物は何かをつくったり、売っている会社ではない。
ただただ、人知れず輸送している。
そう、毎日のあたり前を「インフラ」と呼ぶんだ。
掲載日 2021年6月28日
掲載紙面:北海道新聞 15段
参考:https://twitter.com/JR_FREIGHT_1987/status/1409270610052534277
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Illustrator:始発ちゃん
【企画制作・池端の一口メモ】
つくれないものは運ばれてきてお店に並ぶ。この当たり前のことを表現しました。イラストレーションをお願いしたのは緻密なペン画、鉄道イラストで人気の「始発ちゃん」です。(あえて「さん」無しで紹介させてください)ご自身も北海道が大好きということで思い切って依頼したところ、オリジナル画の制作に快諾をいただきました。ロケ地は札幌市・厚別中央通りの歩道橋。老朽化、維持困難とのことで解体が予定されている「百年記念塔」も描いています。日常に気づくことはなかなか難しいのですが貨物輸送の生活密着度を感じてもらえればと思います。
「先輩になる篇」
あした、先輩一年生になる。
新卒一年目。
飛び込んだのは、いつもとはちがう社会だった。
すべてが未経験のわたしたちは、
「いつもの職場」というものを知らない。
配属された現場では、文字通り、体で体得した。
徐々に慣れはしたけれど、世の中は混乱していた。
社内の交流も少ない。遊びにも行けない。
家族の健康も気になる。緊張感のある一年だった。
明日になれば、年度が変わり、後輩が入ってくる。
正確には、心の準備もそこそこに先輩になってしまう。
そんな感じだ。
彼らもまた緊張をするだろう。
でも大丈夫。それはきっといい緊張感だ。
大先輩たちが継いできたこの現場で、
いっしょに成長していきたいと思う。
掲載日 2021年3月31日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広・八木橋 ひかり
Photographer:古瀬 桂
Retoucher:大谷 キミト
【企画制作・池端の一口メモ】
コロナ渦でわけもわからず一年が過ぎた印象。特に新入社員のみなさんはそれを強く感じたのではないでしょうか。物流の現場にも新人がたくさん加わります。前向きな季節の追い風になるよう、3/31という年度の境目にしかできない表現をめざしました。
「思う篇」
ものしか運ばないからこそ、思う。
希望は運べない。
希望に満ちた引越荷物は運ぶ。
感動は運べない。
息をのむ展開の小説や漫画は運ぶ。
料理は運べない。
おいしさの源となる万能食材タマネギは、
北海道から運ぶ。
思い出は運べない。
思い出をつくるなら、
やっぱり鉄道の旅がいいなぁと思う。
いま、豊かさとは。
物流企業だからこそ淡々と作業せず、
いつも思いをめぐらせていたい。
掲載日 2021年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
「人以外運べるすべてを」というキャッチコピーに落とし込む原点回帰的な広告表現。JR貨物は日本の物流を担う=旅客を運びません。その点をフックにして自虐にならないよう誇りをもって文章を綴りました。写真は函館山を望む撮り鉄ビュースポットから。
「こんな仕事もあるんだ篇」
だれかが、
みてくれている。
父は言う。「息子の会社はJRなんだ」と。
う〜ん、間違っちゃあいないんだけど、
JR貨物って言ってほしかったりする。
日本で、ただひとつの貨物鉄道の会社。
物流業界は、世間では裏方かもしれない。
でも世界の経済は、
そんな“表舞台じゃないほう”の無数の仕事で回っている。
あたりまえのことだけど、
就職先って自分の知っている会社から選ぶ。
高校生の僕はこの会社を知ってしまったんだ。
先生からオススメされるという平凡なきっかけ。
だけど、それが運命だった。
誰にでも「いま思えばあのとき」という
ターニングポイントがある。
掲載日 2020年8月18日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:古瀬 桂
【企画制作・池端の一口メモ】
採用に結びつけるためには、その企業を知ってもらい、共感してもらうことが重要。非正規雇用の広がり、終身雇用の崩壊や上がらない給料など働く環境は厳しく、若者はそれを理解している。今後、企業が共感されるのは「安定」「やりがい」「自己肯定感」というキーワードだと思う。日本を支える「縁の下の力持ち」であるJR貨物という企業ならではの「らしさ」を見つけるのが僕たちコミュニケーション制作の仕事です。
「止めない篇」
物を、止めない。
新しい働き方。新しい消費行動。
世界の生活が変わった。
わたしたちの「届ける」は変わらない。
JR貨物は非常時こそ平常運転。
掲載日 2020年5月25日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:古瀬 桂
【企画制作・池端の一口メモ】
経済、教育などあらゆる日常が止まったコロナ渦。ステイホームにより家庭で消費される食品や日用品の輸送量も増えたそうです。緊急事態宣言が解除される直前に、物流の役割を説く広告を出稿ました。
「引っ越し篇」
新生活こそ、
いつもの暮らしを。
タオルケットの手ざわり。目覚まし時計の絶妙な音。
気づいたら大事な時に必ず着てるジャケット。
お笑いDVDは、いやなことを忘れるために。
辞書に貼った無数の付箋は、自信をくれる。
代えのきかないものは、断捨離できない。
環境が変われば、だれだって緊張する。
真新しいテキスト。自己紹介。歓迎会。
他人の名前をおぼえたり、斬新なあだ名をつけられたり。
そんなとき、気持ちのペースを取り戻してくれるのは、
いつもの服、いつもの道具だったりする。
あなたの新生活を応援する、引越もJR貨物です。
掲載日 2020年3月10日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:名畑 文草
【企画制作・池端の一口メモ】
3月は引っ越しシーズンで貨物列車も全国で大活躍する。コロナ渦でも新生活を迎える若い人たちを応援するメッセージとイラストレーションによる表現で仕上げました。
「走るぜ篇」
走るぜ2020
アスリートではない。だけど走っている。
タスキではなく、コンテナをリレーしている。
箱根は越えないが、青函トンネルは越える。
往路。いや「上り」は、主に北海道産の野菜を運んでいく。
復路。いや「下り」は、主に日用品を運んでくる。
最長列車である札幌から福岡まで、運転士は全員で15人。
走る人間は孤独だ。気を張っている。
沿道で手を振ってくれるひと、見えてます。
SNSで励ましてくれるひと、届いてます。
走るからには、誰だって目標がある。
無事に、完走したい。
昨日のランより、1秒でも更新したい。
あのひとを、よろこばせたい。
そういえば「目標」って、英語だと「ゴール」だ。
それぞれのゴールに向かって、さぁ2020 を走ろう。
掲載日 2020年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
読ませる元日広告。東京オリンピックイヤーの幕開けと貨物輸送の前向さとを掛けて表現。その後すぐに世の中がコロナでしっちゃかめっちゃかになってしまい、時勢の難しさも感じる一作になった。
「つなぐ篇」
夜を越えて。
旅客列車が少ない時間帯。
急勾配を超えて。
最大斜度25パーミルの
石北本線。
青函トンネルを超えて。
北海道経済の大動脈だ。
東京を超えて。
大阪、福岡、全国の消費地へ。
物が届くと、
生活できる。
掲載日 2019年11月4日
掲載紙面:北海道新聞 5段✕4連
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:名畑 文草
【企画制作・池端の一口メモ】
一面(15段)使用ではなく、5段を4ページわたって使用して、貨物列車の長い旅路を横長にするというアイデアで勝負。これまでにないグラフィカルなビジュアルで青函トンネル部分はモノクロ紙面に。各地域担当の異なる機関車のイラストなどディテールで鉄道ファンにも楽しんでいただきました。
「農家篇」
八百屋さんは、
畑から遠い。
始発駅は、畑です。
いも、たまねぎ、お米・・・
北海道の野菜を青函トンネルの向こうに"輸出"する。
収穫した野菜は集荷トラックで選果場へ。
その後どうやって消費地へ運ばれるか。
農家さんですら、意外と知らなかったりする。
コンテナは、北見や帯広、札幌のターミナル駅へ。
首都圏、関西、九州には一日、二日かけて到着する。
産地から、遠いまちの食卓へ。
その隔たりを埋めるのが、鉄道貨物輸送の役割。
北海道の生産力を、輸送力で支えるJR貨物です。
掲載日 2019年8月5日
掲載紙面:日本農業新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:名畑 文草
Photographer:田口 真樹子
【企画制作・池端の一口メモ】
業界紙「日本農業新聞」に出稿。多くの野菜は収穫後、農家にトラックが来て選果場へ出荷される。その後どうやって消費地に運ばれるかリアルに知らない生産者さんも実は多い。そのギャップに着目して貨物輸送の重要性を広告表現とした。モデルは清里町で農家を営む夫妻に登場いただいた。日本農業新聞「グランプリ」を受賞。外部評価、二次評価はメディア露出も増えるのでBtoBコミュニケーションでは大切な要素です。
「到着篇」
ないもの
はこび。
愛媛からきた、トイレットペーパー。
宮城からきた、缶ジュース。
大阪からきた、乾電池。
愛知からきた、酢。
鹿児島からきた、いも焼酎。
富山からきた、クスリ。
栃木からきた、ポテチ。
新潟からきた、餅。
神奈川からきた、シャンプー。
東京からきた、中国製の扇風機。
北海道で作っていない工業製品や食糧品は、
本州からもってくるしかない。
逆に、北海道産の野菜は北海道でしか作れない。
だから本州の消費地に"輸出"できる。
そうだ。
物流って「ないもの」と「ないもの」の交換なんだ。
必需品も嗜好品も、人以外、運べるすべてを。
北海道550万人の生活のために大地を奔走。
わたしたちはJR貨物です。
掲載日 2019年7月17日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:名畑 文草
【企画制作・池端の一口メモ】
食の宝庫、一次産業が強い反面、北海道は製造業が弱い。よって日用品をはじめ雑貨などは本州から貨物列車が運んでくることになる。おつかいを頼まれた「北海道くん」のイラストでシンボリックに表現した。
「立志篇」
少年よ、
疑問を抱け。
みんなが言うサステナブルってなんだ。
そもそも“持続可能”ってどういう意味だ。
みんなって誰だ。
いまどきの若者って誰なんだ。
線路はつづくんだろうか、とこまでも。
年度が変わる。岐路の連続だ。
365日エイプリルフールみたいな社会に、負けるな。
足元をみよう。本質をみよう。
「なぜ」「なに」は、大人をも成長させる。
掲載日 2019年3月31日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:古瀬 桂
【企画制作・池端の一口メモ】
こちらもSNSなどでわりと拡散した広告。クラーク博士「少年よ大志を抱け」を元ネタにメッセージを表現。卒業、進学、就職のシーズンを控える若者を鼓舞するような社会的視点や熱量で文章を書いた。商品や企業説明ではなく「声を代弁する」という手法がBtoBコミュニケーションでも有効だと実感しました。
「正月サンタ篇」
正月も気分が抜けない。
豪雪地帯を走ると、機関車はサンタ顔になる。
クリスマス時期はまだしも、これが3月までつづく。
せめて節分の頃、赤鬼とか言えればいいのだけれど。
おなじ「届ける」を仕事にしていながら、
貨物輸送はサンタとちがって地味だ。
空も飛べないし、幼稚園を訪問することもない。
でも、地味ながらも、地道にやっている。
運転する者は、
いつ出てくるかわからないエゾシカたちを警戒する。
点検する者は、
マニュアル通り「こなす」ことなく、
機械の調子をカラダで感じるよう研ぎ澄ませている。
トラックやフォークリフトを扱う者は、
ターミナル駅を縫うように巧みに動き回る。
どの持ち場でも、
経験のある者ほど、一瞬の怖さを知っている。
いつだって、気が抜けない。
世の中を当たり前に動かし、日常をもたらす。
たいていの仕事はこんなふうに、
人知れず、けれど、誇りをもって社会の一部を成す。
あなたの仕事はどうだろうか?
仕事始めの日はそれぞれだろうけど、
仕事について考えてみる正月も悪くないかもしれない。
掲載日 2019年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
元日恒例の読ませる広告。正月休みもなく年中無休の物流業界をメッセージ化した。直接自宅に届ける宅配業界とは違い、輸送業界はどうしても目に見えない部分が多く、毎回あの手この手で伝える表現を考えている。白ひげを蓄えたサンタクロースのような顔の機関車をモチーフにしました。
「あずき篇」
別腹JAPAN
小さな豆が、でっかい仕事するんだなあ。
あずきは、日本のスイーツ文化。
季節の和洋菓子で、主役になれる。
あんこは、あずきからつくられる。
お餅、小麦粉、生クリーム・・・なんでも合う。
京都、広島、三重、九州・・・全国の銘菓が、
「北海道産あずき使用」を謳っている。
まるで道産子から日本代表を輩出した気分。
あずきのシェアは、北海道産が9割。
あずき色のコンテナが全国へと運ぶ。
掲載日 2018年11月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Illustrator:磯 優子
【企画制作・池端の一口メモ】
大福、鯛焼き、各地の銘菓など和スイーツにはだいたい「北海道産のあずき」が使用されていて、その多くはJR貨物が運んでいるという事実。農作物輸送を担う貨物列車の重要性をポップにアピールした。シリーズ初のイラストレーションによる表現。スイーツのモチーフの絵はすべて前職の仲間である釧路在住の磯優子さんに依頼した。
「フェスティバル篇」
ご近所づきあいに、
めざめました。
普段は貨物輸送をしていますので、
企業がお客さんになるんですね。
広大なターミナル駅は立入禁止でして、
なんとなく謎の存在。
でも取り扱っているものは、
野菜とかジュースとか本とか日用品とか、
暮らしに関わるものだし、
多くの人の「知らない会社」から、
「ちょっと知ってる会社」くらいになりたい。
だから社員たちでアイデアを出し合って
地域のみなさんとわいわいできる
「鉄道貨物フェスティバル」を行いました。
物静かな構内もこの日だけは
歓声や笑い声でにぎやかに。
機関車やフォークリフトは
ここぞとばかりに張り切って実演します。
「貨物列車の運転士になりたい」
一人でもそんな夢を抱いてくれる子がいたら
最高なんですけどね。
裏方であり脇役でもあるJR貨物だからこそ、
地域に対してまだできることが
あるんじゃないか、
最近そう思うようになってきました。
貨物フェス、来年も北海道のどこかのまちで
予定しているのでご期待ください。
掲載日 2018年10月14日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:牧野 翼
【企画制作・池端の一口メモ】
JR貨物では地域住民、鉄道ファン、子供たちとの接点となる「貨物フェスティバル」を各地で開催している。BtoB企業としては大切な生活者との関係を深めるイベント。企業のことを理解してもらうための施策を広告でもアピールした。写真はTwitterでみつけた画像を使用させていただきました。
「メカニック篇」
俺たちメカニック。
安定のテクニック。
今夜はヤキニック。
掲載日 2018年3月31日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:minaco.
【企画制作・池端の一口メモ】
社員採用につなげる目的で、安全を守るメカニックのみなさんをモチーフに出稿。おかたいイメージのある技術系の世界とは対称的なラップ調コトバ遊びコピーで軽やかに表現しました。
「運転士篇」
牽引役の引退。
国鉄時代から勤続48年。
はじめは整備士だった。
東室蘭で駅員もした。
人手不足を受けて
運転士になったのは40歳のこと。
必死で経験を積んだ。
「あ、今日は重いな」
「あ、からっぽのコンテナが多いな」
滑り出しやブレーキの感覚で
わかるようになった。
気づけば、
後輩も立派なベテランになっていた。
気づけば、
数年で辞めていく若者もいた。
「機関車の乗務はひとりだけ。
暴風雪の日は視界も消え、
孤独も感じる。
それでも子どもたちが
道端で手を振ってくれたり、
北海道の四季も体感できる。
ここは特等席だ。
もう何日かで、
最後の乗務日がくる。
今日も弁当がうまい。
不規則な昼夜も健康管理してくれてきた
妻の「勤続」に感謝したい。
ごちそうさまでした。
今日も大好きな玉子焼きがうまい。
掲載日 2018年2月14日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:minaco.
【企画制作・池端の一口メモ】
定年退職を迎えるベテラン運転士がテーマ。奥さんへの感謝をつづる文章でバレンタインデーに掲載した。多くの運転士さんを励ます広告になったとお礼を言われました。
「もうひとつの札幌駅篇」
もうひとつの
札幌駅。
だれも乗らない。だれも降りない。
段差のないホームにトラックがぴったりと寄る。
フォークリフトがぎゅいんぎゅいんと旋回する。
カラフルなコンテナたちは、
一見秩序なく置かれているようだけど、
ICタグですべて管理されている。
中身はなんだろう。
社員ですら見た目には判別できない。
JR平和駅の小高い歩道橋には、
「ずっと見てられるよ」と
めまぐるしい動きを眺める人の姿も。
乗降客数ゼロ。
東京に次いで取扱量2位の札幌貨物ターミナル駅、
通称「札タ」は今年50周年を迎える。
鉄道ファンはもちろん地域のみなさんが
楽しめるイベントを企画中です。
カンカンカンカン。
踏切の音が、広い構内にこだまする。
掲載日 2018年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:minaco.
【企画制作・池端の一口メモ】
貨物列車の「札幌駅」は平和と新札幌の間、流通センターにある。24時間眠らない日本で2番目に大きな駅。俯瞰からミニチュア撮影の技法でカラフルな写真を撮った。カメラマンさんと一緒に命綱を付けて鉄塔を上った思い出がよみがえります。
「共同輸送篇」
モノをはこぶ。
コトがはこぶ。
札幌から釧路まで、
ビールをはじめジュースやお茶など、
いろんな飲料が、ぞくぞくと。
JR貨物と日本通運、そしてビール4社の
共同輸送が9月12日からはじまっています。
これは業界初の画期的な取り組み。
小ロットでも運びやすくなり、
トラックのドライバー不足対策としても、
これまでにない効率化が実現しました。
掲載日 2017年11月25日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
コスト削減を図るため釧路から札幌までビールメーカー4社の共同輸送がはじまった。ライバルが手を結ぶという業界的には画期的なニュースを広告のネタに。ビール各社、横並びで企業ロゴを使用させてもらった。
「すれちがい篇」
すれちがいの
毎日だけど。
人と物。
運ぶものもちがう。
あなたは旅客。
わたしは物流。
線路の幅も、
速さもちがう。
でも、
同じ道を歩んでる。
それは決められた
レールだけど、
未来の北海道を
つくる道だと
信じてる。
今日で一歳の
北海道新幹線、
おめでとう。
いつも、
すれちがいの
毎日だけど、
いつも、
ありがとう。
掲載日 2017年3月26日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高坂 秀和
【企画制作・池端の一口メモ】
北海道新幹線の開業日にあわせて出稿。青函トンネルは貨物列車と同じ線路を走る唯一の区間。貴重な「すれちがい」が見られる。貨物列車の影響で新幹線が高速走行できず、所要時間の短縮化の妨げになっているというネガティブな声も上がっている。前代未聞のビジュアルとメッセージの広告でインパクトやメッセージが評価されてTwitterやまとめサイトなどでバズりました。
「元旦篇」
自然には、勝てない。
自分には、勝てる。
「定時運行」が基本となる仕事。
たとえば、飛行機や鉄道などの交通業界。
あるいは、運送や宅配など物流業界もそうです。
わたしたちJR貨物は、その両方に属している会社です。
ふだんは誰も気付かない、縁の下の力持ち。
時間通りの毎日を、あたりまえに送ってあたりまえ。
これが、三六五日つづけてとなると、そう簡単ではありません。
ひと冬に数回は、悪天候による運行見合わせがあります。
雑誌の発売が、東京よりも、ただでさえ遅れる北海道。
暴風雪の影響で鉄道が止まれば、
その発売がさらに伸びることも、しばしばあります。
がらんとしたコンビニの雑誌売場。
「届けられない」という事実に、
わたしたちは申し訳ない気持ちになります。
どうしたって冬将軍という外敵にはかなわない。
だからこそ、せめて内なる敵には、いつだって勝たねばならない。
自分自身の「油断」は、「安全」にとって最大の敵です。
お預かりした荷物を無事に届けるため、
ひとりひとりで、チームで、組織全体で、
何重ものチェックを行い、安全というレールを敷く。
日々の安全はあたりまえ。だけど安全に絶対はない。
JR貨物は二〇一七年も出発進行です。
掲載日 2017年1月1日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:minaco.
【企画制作・池端の一口メモ】
正月は読者もじっくり新聞を見てくれるので各社こぞってメッセージ広告を出稿する。JR貨物もそのステージに上がりメジャー感をつくりました。これを機に「元日は読ませる文章広告を」というオーダーをいただくことが恒例に。現場の社員さんからの評判も上々で「ブランディングがインナーに効く」というリアルな成果が社内に浸透しはじめます。
「ぴりぴり篇」
街がそわそわする頃、
私たちはちょっぴり
ぴりぴりしています
年末年始輸送で札幌市白石区の貨物ターミナルも大忙し。
北海道から発送するのは野菜や海産物などが多く、
本州からは主に飲料や家電・宅配便などが多く到着します。
あなたへのプレゼントも今日ここに届いているかも。
JR貨物は今日もガタゴト。青函トンネルの向こうへ。2017年も元気よくオール北海道でがんばろう。
掲載日 2016年11月29日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:minaco.
【企画制作・池端の一口メモ】
年末商戦、お歳暮やクリスマスなどもあり物量が増える。この広告では日常のモノが貨物列車にとって運ばれている事実を訴求。家庭のクリスマス準備シーンと繁忙期のターミナル駅をレイアウトしました。
「とれいん篇」
とれたら、
とれいん。
玉ねぎ、じゃがいも、お米・・・農家のみなさんから預かった作物は、
貨物列車で本州各地へお届けしています。
この夏の台風・大雨の影響で今日現在、復旧作業中の路線もありますが、
引き続き代替輸送にご理解くださいますようお願い申し上げます。
コンテナ物流は北海道の経済・農業のために365日、動きつづけます。
JR貨物は今日もガタゴト。青函トンネルの向こうへ。2017年も元気よくオール北海道でがんばろう。
掲載日 2016年10月12日
掲載紙面:北海道新聞 15段
Creative Director / Copy Writer:池端 宏介
Designer:川尻 固広
Photographer:高橋 龍次
【企画制作・池端の一口メモ】
北海道の農産物は日本中へJR貨物が運んでいる。つまり基幹産業を支えている。でもコンテナの中身は見えない。だから何を運んでいる会社なのかわかりにくい。単純な課題をみつけ見える化したデザインによる解決です。コトバ遊びのキャッチコピーも効いています。初夏から広告の準備を進めていましたが夏の台風の影響で出稿がずれ、原稿も差し替え。なかなか波乱の幕開けとなりました。
JR貨物 担当者から広告担当者の高森孝さん
(現・JR貨物 経営統括本部 人事部)
北海道の誇る農産品が鉄道で本州へ輸送されていることは、新聞広告をはじめた当初、道民の皆さまはもちろん、農家の皆さまにもあまり知られていませんでした。逆に普段使っている日用品や書籍も同じく鉄道で輸送されスーパー等に並んでいることも知られていません。その中で「ジェイアール」としてではなく「JR貨物」という企業として認知してもらうための広告活動に踏み切ることを決めました。
広告を検討する際、我々は「伝えたい」という気持ちが強すぎましたが、どのようにすれば「伝わる」のかをインプロバイドさんから丁寧に教えてもらいました。そのため「JR貨物」という企業のこともしっかりと理解した上で、広告デザインやPRアイデアを提案していただきJR貨物北海道支社のブランディングにおいて多大なご協力をいただいてます。
出稿後数年が経過し、その活動は実を結んでいます。恒例の新聞広告はもちろんブランドブックなど、おかげさまで道民の方はもちろん、就職を希望する若者たちや鉄道ファンからもご好評をいただいております。